結果が出ないと自分を否定してしまうあなたへ

皆さん、こんにちは。
スポーツメンタルコーチの千葉歩です。
サポートしている選手たちのシーズンが、続々と始まっています。
この時期になると、よく思うことがあります。みなさんにも一度問いかけていただきたい内容です。
競技に本気で向き合っていると、結果が出なかったときに「自分はダメだ」と感じてしまうことはありませんか?
長い時間をかけて努力し、本気で結果を残したいと思っているからこそ、結果と自分自身の価値が結びついてしまう。そんなこともあるのではないでしょうか。
私自身も、現役時代はそうでした。
結果を出すことで「自分はここにいていいんだ」「この場所にふさわしい人間なんだ」と思いたくて、必死に頑張っていた時期がありました。
そのエネルギーで成長できたことも事実ですが、同時に、自分を否定しながら頑張り続けることに苦しさも感じていました。
なぜ、結果と自分の存在価値を結びつけてしまうのか?
心理学には、成果や他者からの評価によって自分の価値を判断する「条件つきの自己価値」という考え方があります。
2026年に発表されたエリートアスリート176名を対象とした研究では、競技成績に自尊感情を強く結びつけることと、競技不安や燃え尽きとの関連が報告されています。
特に、失敗したときに感じる「恥」の感情が、その関係に関わっている可能性が示されました。
結果と自分の価値を結びつけることが、心理的な負担と関係している可能性を示しています。
つまり、本気で結果を追い求める中で、知らず知らずのうちに「結果が出ない自分には価値がない」と感じてしまうことがあるのです。
では、そうしたとき、自分自身とどのように向き合えばよいのでしょうか。
セルフコンパッション
ここで紹介したいのが、心理学における「セルフ・コンパッション」という考え方です。
これは、失敗や困難に直面したとき、自分を過度に責めるのではなく、思いやりと理解を持って向き合う姿勢を指します。
こう聞くと、「それは甘えなのでは?」「自分に厳しくしなければ成長できないのでは?」と思う選手もいるかもしれません。
しかし、2013年に女性大学アスリート51名を対象に行われた研究では、セルフ・コンパッションを育む取り組みによって、自己批判や失敗へのとらわれが軽減したことが報告されています。
また、一般の参加者を対象とした心理学研究では、失敗した自分を思いやりを持って受け止めることが、自己改善への意欲を高める可能性も示されています。
つまり、自分を受け入れることは、成長を諦めることではなく、むしろ前に進むための一つの力になり得るということです。
私自身も、メンタルコーチングを通して自分自身を深く理解し、受け入れられるようになったことで、苦しかった競技が再び楽しいものになったのです。
それまでの私は、「自分がダメだから頑張らなければ」という自己否定を原動力に努力していました。
しかし、次第に「私はこうなりたいから頑張る」という考え方に変わっていったのです。
考え方が変わることで、競技への向き合い方や日々の行動も変わっていきました。
そして、その先で、自分でも想像していなかった結果を掴むことができました。
もちろん、誰にでも同じ結果が生まれるわけではありませんが、私にとっては競技人生の大きな転換点だったと感じています。
結果とあなた自身の存在価値は別のもの
ここまでお伝えしてきましたが、頭では理解できても、結果と自分の価値を本当の意味で切り離して考えることは、決して簡単ではないと思います。
だからこそ、まずは自分自身の状態に気づくことから始めてほしいのです。
「ああ、今、自分は競技の結果と自分自身の価値を結びつけているんだな」
そう気づくこと。
その気持ちを無理に否定したり、変えようとしたりする前に、まずは自分自身を理解することが大切だと考えています。
そして、最後にもう一つ伝えたいことがあります。
結果が出なかったこと、うまくいかなかったこと。そうした事実はあるかもしれません。でも、それはあなた自身がダメだという意味ではありません。
競技の結果と、あなた自身の存在価値は別のものです。
とはいえ、そうした考え方を一人で身につけることは簡単ではありません。だからこそ、私たちスポーツメンタルコーチがの存在があります。
アスリートとして競技に打ち込める時間には限りがあるからこそ、「本当にいい競技人生だった、楽しかった!」と思えるように。
そして、その経験が競技を終えたあとの人生も、一人の人間としてより豊かに、幸せに生きていけるように。
そんなアスリートを一人でも多く増やしていきたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
