モチベーションが続かない選手へ

皆さんこんにちは。
スポーツメンタルコーチの千葉歩です。
シーズンが始まった選手。
これから始まるシーズンに向けて、練習している選手。
シーズンを終えて、次の目標に向かって動き出している選手。
それぞれ、今いる場所は違うと思います。
そんな中で、
「最初はやる気があるのに、続かない」
「目標はあるのに、最近ちょっと気持ちが乗らない」
「やった方がいいのは分かっている。でも動けない」
そんな悩みを抱えている選手もいるのではないでしょうか。
そして、そんな自分を見て、
「自分は意志が弱いのかな」
「もっとモチベーションを上げないと」
と思ってしまう。
でも、もしかすると。
あなたのモチベーションが続かないのは、意志が弱いからではなく、「目標までの一歩」が大きすぎるからかもしれません。
「大きな目標」と「小さな目標」。どちらが人を動かす?
これについて、興味深い研究があります。
心理学者のアルバート・バンデューラとデール・シャンクが1981年に発表した、
「Cultivating Competence, Self-Efficacy, and Intrinsic Interest Through Proximal Self-Motivation」
という研究です。
研究では、算数が苦手で、算数への興味も低かった7〜10歳の子ども40人に、算数の学習に取り組んでもらいました。
そのとき、子どもたちを、
「短期間で達成できる小さな目標を設定する」
「最終的に達成する遠い目標を設定する」
「目標を設定しない」
という3つの条件に分けました。
結果は、短期間で達成できる目標を設定した子どもたちは、学習がより速く進みました。
それだけではありません。
「自分ならできる」という自己効力感や、算数そのものへの興味まで高まったことが報告されています。
一方、この研究では、遠い目標だけを設定した場合には、同じような明確な効果は確認されませんでした。
つまり、
人を動かすのは、遠くにある大きなゴールだけではない。
「できた」
「ここまで進んだ」
「昨日より一歩前に進んだ」
そんな小さな成功の実感も、次の行動につながっていくということです。
アスリートほど「遠く」を見ている
スポーツの世界では、大きな目標を持つことを求められることが多いと思います。
「全国大会に出る」
「レギュラーになる」
「プロになる」
「日本一になる」
もちろん、大きな目標を持つことは大切です。
でも、考えてみてください。
全国大会に出られるかどうかが分かるのは、数カ月後。
プロになれるかどうかは、数年後かもしれない。
そこだけを見続けていたら、
毎日の「できた」は、どこにあるでしょうか。
毎日頑張っているのに、ゴールはまだ遠い。
努力しているのに、達成感がない。
「こんなにやっているのに、まだ足りない」
そんな日々が続けば、モチベーションを保つのが難しくなるのも不思議ではありません。
だからこそ、大きな目標とは別に、
「今日、何を達成するのか」
を決めてみてほしいと思います。
「頑張る」を、もっと小さくする
例えば、
「シュートを上手くする」
では、今日達成できたのか分かりません。
だったら、
「練習後に50本シュートを打つ」。
「フィジカルを強くする」
ではなく、
「今日、スクワットを10回×3セットやる」。
「映像を見て勉強する」
ではなく、
「今日は5分だけ試合映像を見る」。
それでも続かなければ、もっと小さくしていい。
そして、一つできたら、
「今日もできた」
と、自分でちゃんと認識する。
一つできた。
また一つできた。
昨日もできた。
今日もできた。
その小さな成功が、
「自分はできる」
という感覚をつくっていきます。
そして、その感覚がまた次の行動につながっていく。
モチベーションを待たない
「モチベーションが上がったらやろう」
そう思っていると、いつまで経っても動けない日があります。
だから、順番を逆にしてみる。
モチベーション → 行動
ではなく、
小さな行動 → 小さな成功 → 次の行動
です。
やる気満々じゃなくてもいい。
まず一つだけやる。
そして、自分で「できた」をつくる。
モチベーションを待つのではなく、モチベーションが生まれやすい状況を自分でつくっていく。
それも、目標を達成するために必要な力だと思います。
大きな夢ほど、一歩は小さく
もし今、
「最近、モチベーションが続かないな」
と感じている選手がいたら、
「もっと頑張らなきゃ」
と自分を追い込む前に、一度考えてみてください。
今日、自分がやろうとしていることは、大きすぎないか?
1時間できないなら、20分。
20分できないなら、10分。
それでも難しいなら、5分でもいい。
大切なのは、一日だけ100点を取ることではなく、
「今日も一つできた」を積み重ねること。
目標を小さくする必要はありません。
日本一を目指してもいい。
プロを目指してもいい。
世界を目指してもいい。
大きな目標を持っている人ほど、
そこに向かう一歩を、小さくしてみてください。
今日の小さな「できた」が、
いつか大きな「できた」につながっていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
